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HKDC 夢組「酔恋」 その4

ロマンスあり、謎解きありで、人物の出入りも一本調子でなく(若木さんが早々に死んでしまったり)、観ているものを引きつけながら、物語の筋道も人物も破綻なく勧善懲悪の世界を描ききって、とにかく大団円に持っていって、「完」の文字が見えるような終わり方。
これができる、はやみ甲は大した能力をお持ちだ。
どっかの劇団の作家に教えて欲しいくらい。


***

朱里王は、静蘭の前にも皇后を亡くしているんですね。
その彼が次に結婚しようとした静蘭も奪われる。
自らの責任ではなく、2度も不幸な目に会った悲劇の王です。
彼に幸せを与えてやってもいいんじゃないかと思うので、朱里王が静蘭と瓜二つの秀麗と結ばれるという結末に違和感は感じませんでした。

***


とにかく、登場する男性がどの人も潔く正しく清清しく、いい男である。ここまで徹底して男性をかっこよく書けるのは、謝珠栄もそうなんだけど、女性作家だからかなあ。
男性作家はね、やっぱりシガラミとかそうは思い通りにはいかないなんていうのを現実に感じてるからか、そこんところ一直線と行かないことが多いんではないか、と思ってしまうことが多い今日この頃・・。
やっぱり、男役は「凛々しいお方~」と、うっとりさせてナンボでしょうよ。


で、若手の人たちも役がついていて、それぞれ出番がきちんとあり、更にそれぞれのキャラクタがその人に合っている。彼らがどんな役で魅力が出るか、腐心し、工夫しておられるのを感じる。
これ、お稽古の時なんかにいつも接しているからできることなんだろう。


それから、ストーリーの面白さもさることながら、ちょっとしたエピソードやちょっとした一言なんかが伏線になっていて繋がりを持たせ、ドラマで活きる仕掛けになっている。

例えば、女官の美杏の英月への片思いのシーンなんて、若手に出番を、だけでない、後に繋がるエピソードになってるわけだし。

例えば、小龍の陽貴に対する「そろそろ潮時では」みたいな発言があるから、悪事が暴かれるシーンで後ろ手に縛られてでてきても、あーそうか寝返ったのね、ということになって、いきなりな感じは受けないし。

例えば、静蘭が媚薬酔恋によって恋に落ちてしまう相手が、婚礼衣装作りの「りーさん」であったというのも、その前に、首里王とのデートもそこそこに衣装合わせがあるのと行ってしまう場面があったから、唐突ではないし。

ほかにもあったけど、こういう感じでちゃんと繋がりがあって、人物の行動に無理がない。
いやほんと、上手いと思いました。
どっかの座付き作家に教えてやってくれ、と思いました。


音楽は既存のものを使ってます(多分)が、使い方が上手い。どの場面もぴったりの楽曲だと思いました。
若木さんが歌った挿入歌は、はやみ先生の作だと思うんですが。だとしたら、凄いですね。この、マルチな才能。現代のレオナルド・ダビンチ(なんだ、この例え)(ほかに適当なのを思いつかないので)。


衣装に関しては、いつものことながら相当拘りを感じます。
はやみ先生のデザインで、出演者自身の製作なんだそうですが、自前であるということなど感じさせない繊細さとが豪華さがあり、感心しました。特に今回は、時代ものであることから、材料から造形まで苦心工夫されたことでしょう。「今回はハードルが高かった」というようなことを先生自身が(プログラムだかHPだかで)おっしゃってられますが、なんのなんの。
そのハードルをクリアする力を今のHKDCは持っている、てことじゃないでしょうか。

思うに、ダンスであれ、芝居であれ、はやみ先生はレベルの高いものを目指している。そして、それをきちんと表現しようとするメンバーの努力と協力あったればこそ、この面白い舞台が出来たんだろうと思う。


演じたかたがたについては、実況中継でちょこちょこ述べましたので、ここでは言及しませんが、この方について一言。

陽貴を演じたみどり麗子の熱演がこの舞台を成功させたと言ってもいいと思いました。表向きは善人に見せて実はワルである、という典型的な「悪の女王」をよく表現してくださいました。
どっかで経験おありなんではないかと思うくらい、自然であった。魅力的な悪人でした。


次回はどういうものが観られるのか、今から楽しみであります。
製作者及び出演者にとってはプレッシャーでしょう。
がんばってください。

HKDC 夢組「酔恋」 その3

訂正があります。
「酔恋その2」のアヘンシスターズ(定着しましたなあ)(ここだけ)の配役ですが、可愛みおさんだと思った方は、弘中幸恵さんでした。この方、マコトダンスカンパニーのインストラクターだそうです。ごめんなさいして、訂正いたします。
マコトダンスカンパニーは、昨年HKDCとコラボ公演をやりましたね。
この日も、マコト先生がちびっ子たちを引率していらしてました。


では、続き。


***


陽貴は演説をぶちます、王が正気に返るまで項将軍が頼りだと。「あなたに着いていきます」「私たちを、この国をお導きください」と。宮中の皆さん、同調しちゃう。
これ見て内侍官は、えーこのおばさん、なに言うとるの?
と、ちょっと陽貴に対して猜疑心が芽生える。

李蓮は、陽貴に恩義を感じていると同時に、王にアヘンを飲ませていることを知る。
ところへ湖月と紫水が現れる。
「アヘンは人を廃人にしてしまう恐ろしい薬だ」「陽貴はアヘンをなぜ王に飲ませているのか」(アヘンが大変な麻薬だということを彼らは知っているんですね)
てなことを李蓮に言います。

李蓮は、いきなり「くせものー!」とか言って刀を抜き、切りかかる。
ちょっとした立ち回りがありました。身のこなしがいいから決まりますなあ。

まとにかく、場所を移して誤解は解けて(酔恋の説明なんか受けて)、李蓮は静蘭の死の黒幕は陽貴だということを理解する。

で、王を正気に戻らせなければいけない、と言うことになる。

湖月が言うんですね「われらがこんな趣向を・・鳥と魚の・・・」(違う)

湖月が呼ぶと、一人の女性が現れる。
その人を見て李蓮は驚く。
「姉さん!」
死んだ李蓮の姉、静蘭そっくりなのだ。

そうですね。若木さんが再登場です。
あんなに早く死んじゃったら、もう一度出番があるでしょうとは想像できることですね。待ってました!

この女性は黄一族の遠縁なんだそうで、名は秀麗。
彼女がそばにいれば朱里王の乱れた心も穏やかになり、元の王に戻ってくれるのではないか。

「では頼んだぞ」
「ハイッ」(キリリ)(このキリリの若木さん、カッコいいです)

陽貴に恨みを持つ湖月らと李蓮で共同戦線を張るっつうわけですね。

ここらで、劉貴が剣を持って勇壮に踊るシーンがありました。カッコいいですわ。珠希さんて背が高くて手足が長いのに(のにってのはおかしいけど)振りがぴたっと決まる。手足の長い人は円の径が長いからちょっとの遅れが大きく出てしまうんですね。遅れを感じさせないというのが凄いなあと思う。勇壮で潔癖な感じが出ます。
踊ってるところへ、朱里王がふらつきながら剣を持って乱入する。ふたりが剣を合わせて踊る。仲良く、ではなくて、闘ってる感じ。朱里王の踊りが凄いです。アヘンに酔ってる様子を見せながら、力強く鋭い。さすが、初瀬さま。

でまあ李蓮の推薦で秀麗は宮中に入り、内侍官の感触もよく、朱里王のおそば付きになった。彼女のお世話の甲斐あって、朱里王はアヘンを絶ち、正常に戻りつつある。
王の座を虎視眈々と狙っていた陽貴は、心穏やかではない。
このときですかね、小龍が「引き際も大事」みたいなことを言うんですね。お、突き放しにかかったか・・できてたんじゃないかと思ってましたが、そうしたらこうもあっさりと冷たくはできないわね。やっぱり単なる利害のみの関係だと思います。

朱里王は秀麗に好意を持ち始め、静蘭に対する後ろめたさを感じ始めるんですね。秀麗を避け、またアヘンをやるようになる。複雑な男心ですな。そこへ秀麗はアヘンをやめるよう泣いて頼む。
内侍官は、自分の心にウソをつくのはやめるよう諭す。
で、すっかり目が覚めた朱里王は、内侍官(李蓮だっけ)からことの顛末を聞きます。

一方、秀麗は自分は無力であったと思い、宮廷を去る。
女中奉公の娘みたいに風呂敷包みを抱えてるのがちょっとツボでした(変なところで喜ぶオバサン)。朱里王が正気に戻ったことを知り、良かった良かったと、去ろうとする。ここで、朱里王を思う歌を歌うんですよね。ほかの楽曲は多分既存のものを使ってると思うんだけど、ここはシンプルにピアノ伴奏で、歌詞も状況に合っていたので、この歌ははやみ先生の作詞作曲でしょうかと思いました。
はやみ先生、どこまで才女だ。


さて、宮廷ではクライマックスシーンですよ。
朱里王は、陽貴の罪を暴く。陽貴はもちろん、しらばっくれる。
それじゃ証拠を見せよう、と、湖月が酔恋を出してくる。
実演ですよ。
誰か恋をしてる方~というと、美杏が、ハイ!と手を上げる。
英月に片思いの女官さんでしたね。英月に吹き矢でフッとやると、いきなり美杏スキスキになってしまう。
で、カップルいっちょあがりー!


さあどうだ、陽貴。罪を認めろ。寝返った小龍が出てくるに及んで、陽貴は観念します。皇后の暗殺も黄一族を罪に落としたのも自分であると白状します。
朱里王のなぜ、という問いに対する答えが朱里王が自分に冷たかった、愛されていないと思ったから、というのが、悲しいです。


朱里王は秀麗を追いかけ、秀麗に愛を告白する。
鳴凛は劉貴の自分に対する気持ちが揺らぐことがなかったと知る。
黄一族も静蘭も潔白が証明された。
めでたし、めでたし。


***

ふう。終わりました。
あと、まとめは次回に。

「ACHE」

7月8日と10日昼公演@ル・テアトル銀座を観ました。

今年は、芸能生活(即ち舞台生活)20周年なんだそうで、この「ACHE」という舞台は、集大成にしたかったんだとか(トークや挨拶でそんなことを言ってました)。

男役18年間、そして退団後の2年間は女優もあり男役もありの活動をしてきて、今の湖月わたるにできること、やりたいことを全部出してみようというところだと思います。だからこの舞台は、湖月わたるのこれからの方向性を示すものと捉えていいでしょう。

回りくどいね。
要するに、ダンスも芝居も歌もがんばって、男役と女役の比率は8:2、て感じですか。
これは私にとってとても嬉しい提示であります。
タカラヅカを退団したら、男役であったことなどなかったかのように変貌してしまう人が多い中で、やっぱり男役が好きだ、男役もやりたい、と、わたさん自身が思っているというのが伝わってきて、涙がでるほど嬉しかったです。
ほんとのところ、男役をやってる時のほうが数段魅力的です。そのことは本人が一番良く解ってるのだと思う。というか、好きこそなんとかで、男役のほうが好きなんでしょう。


内容について述べないと。

エンターテイナーとしてトップスターにまで昇りつめた男の記念の舞台。
黒燕尾で登場。黒燕尾だけど、中に着ているシャツが黒で胸元がVの字に開いている。ちょっとセクシー系を意識した感じで、ヅカの時の黒燕尾とは一線を隔している。衣装は有村淳。
歌う歌は、「キャリオカ」「キッチュ」「月夜歌声」。途中から星奈優里、彩輝なお(サエちゃん、ここはドレス)、それから若い男性ダンサーが登場して、ショー仕立てで進みます。
わたさんは白いコート風ジャケットのパンツスーツに着替えてきて、歌うのは「日替わり歌」ですね。私の時は、二日とも「愛の面影」でした。どお~して~どおして~♪という、あのフェルゼンの歌です。
ん・・? わたさん、歌上手くなった? ちょっと泣きそうになりました。ちあきしん(歌唱指導)のおかげかしら。

で、客席に向かって一例し、「私の20周年記念コンサートにようこそ」というようなことを言うんだけど、これが男役でスカシてて、いつもの挨拶の時の「ありがとーございましたあ」と言ってるわたさんと違う。最初のショーのシーンからお芝居が始まってたんですね。
で、例の気取った男役で、「新曲です」と言って、「ACHE」を歌います。うん、これも良かったよ。


でまあ、いろいろありまして、アクション。アクションです。
いやこれがもう、大サービス。ふたりの暴漢(本物の男性)相手に大立ち回り。大喜び。

でまあ、またいろいろありまして、時空空間というか、黄泉の国というか、そういうところに行く。そこで、プラトンの「饗宴」からのテーマが出てくるんですね。
人は昔、2つの頭、4本の手足を持って生まれた。が、傍若無人な振る舞いに神の怒りをかい、半分に引き裂かれてしまった。で、人は今でも自分の半身を求めるのであると。

でまあ、ちょっといろいろ複雑で説明難しいのですが、主人公の「男」(湖月)は、現世に戻るためには、半身を見つけなければいけない。と言うより、選ばなくてはいけない。
候補者は複数いるんですね。
戸井勝海、彩輝なお、それから、現世でのパートナーだった星奈優里。(わたさん、あの世でもモテるんだ)

(戸井さん扮する)待っていた男は、以前、女性であった「男」とパートナーであったと、そして、彩輝なお扮する・・ううん、これは女性だか男性だか判んないのですよ、とにかくサエちゃんは自分と関係があったと言う。
サエちゃん、ここのところまでは女性、で、「男」に「ぼくのこと、忘れたの?」と言う。その瞬間に少年になってしまうんですね。中性的というより両性具有の妖しさですね。これは男役経験者ならでは、さらに彩輝なおならではのものでしょうね。

でまあいろいろありまして、彼・・・わたさん扮する「男」はこの世に復帰することになる。
前を向いて歩いていく・・客席の通路をです。

で、この舞台の芝居部分は終了。
これはもう観て感じていただくしかないと思うんだけど、カッコいい男役全開のわたさんと、ちょっと妖しい雰囲気の女性のわたさんと両方楽しめる趣向になってます。(しかし女性のほうのわたさん、デカイ。肩を後ろに引いてもなお肩幅広いし)
この両性をゆれる主人公という設定は面白いです。
大野拓史くんを「博士くん」と、わたさんが呼んでましたが、その博士くんから生まれた発想なんですね。
わたさんは終始シリアス。アクションの時の「ウッ」とか「アッ」とかいう声に、ヅカ時代のあのショーのあの場面とかお芝居のこの場面とか思い出し、デジャヴです。


お芝居のあとは、明るく元気なショーでした。
元気なわたさんの「ファンの集い」に突入!
黒皮パンツに黒ブーツ、黒の(Tシャツ風)シャツにパープルのジャケット。襟元に今流行りのスカーフ。これが、黄色というより萌黄色? で、ジャケットの色と補色関係なんですね。難しい色合いを上手に組み合わせて、衣装担当に拍手。
パンツが上から下までぴっちり、ぴったりで、しかし、ものすごくカッコいい。いやもう、やっぱりパンツはかなきゃ、ですよ。

で、客席にゆっくりサービスして舞台に上がり、ダンス。
ちょっと今風のダンスでした。
アレ、キレよくなってますね。カッコいいです。

で、トークです。
トークの相手は、日替わりのようですね。8日の時はサエちゃんで、10日の時はゆりちゃんでした。それぞれふたりでひとしきり昔のこと話して、アンケートの質問にお応えしますコーナーに。
まあいろいろあったんですが、ふたりの男性ダンサー(坂本まさる、附田政信)への質問で、楽屋でのわたさんの様子、「ダム・ヤンキース」(ふたりとも「ダム~」にも出演してた)の時との違いとかありますか、というのがありました。

「ダム~」のころは、スカート姿のことが結構多くて、お稽古の時も網タイツはいてたりしたけど、今回はパンツばかりで、お稽古もジャージ姿・・なんだそうです。
わたさん、「・・・もういいやっ」なんだとか。ハッハッハ。

最後は、"I can't give you anything" を歌い(戸井さん上手い)、盛り上がって終わりました。出演者がやってる振りを客席もやり出して、8日公演では客席の半分くらいでしたが、10日公演では、わたさんから「ハイ、みなさんもどーぞー」と、キューが出るようになってました。

客席が盛り上がると、わたさん大喜びなんですね。それを見てこちらも喜ぶという相乗効果で、ますます盛り上がりました。湖月わたるをやめられないのは、これがあるからだよなーと、しみじみ思います。


蛇足:
8日のほうはマリコ(麻路さき)さんが、そして10日のほうは美木良介氏が客席に!
おふたりとも素敵でした~。

HKDC 夢組「酔恋」 その2

*訂正あり。赤いところ(7月11日)

(その1からの続き)

タイトルの「酔恋」は、「すいれん」と読みます。
恋に酔うというイメージと、「すいれん」という音がきれいです。


***

えーと。
黄一族って今は非人とされていて、顔に「非」の烙印が捺されています。それって陽貴の陰謀で罪を着せられたからなんですね。
というわけで、湖月、紫水たちは陽貴に恨み骨髄なんである。


***


周遊は胡蝶に駆け寄る。酔恋が効いてます。今度は彼が泣き叫ぶ番です。ざま見ろ、プレーボーイめ。なんだけど、周遊の嘆きにちょっと心を動かされ、かわいそうになってしまいました。やっぱり美形は得なのか。ここの音楽も悲しみを誘う音楽でした。
で、暗転。・・・アレ? 碧海りおの出番、終わり? 
え、それはないだろう。
そうです。それはないです。あとで出てきます。待ちましょう。


完成した酔恋を、湖月と紫水は陽貴に渡す。
あ、だめよ。簡単に渡してしまっちゃ。
そうなのねえ。ここでまた、陽貴の策略に引っかかる。人質全員解放すると言ってたのに、陽貴は「ひとりだけだ」と答える。怒る湖月に対し、「私に何かあれば人質は皆殺しにすることになっている」と言う。
地団駄踏む湖月、紫水を後に、勝ち誇った笑いを残して陽貴は去る。いやほんとにワルだ。


場面変わって宮廷です。
混乱してます。静蘭が朱里王にあなたと結婚できないと、突然言いだす。婚礼衣装の担当であった「りーさん」(漢字で書くと「李」さんかな)を好きになってしまったと言う。驚愕し、混乱する朱里王。そこへ、りーさんが罪の重さに耐えかねて自殺したという連絡が入り、遺体が運ばれてくる。この三角関係の一角である「りーさん」は実際には出てきません。遺体も布で覆われていて見えない。

静蘭は悲嘆のあまりその場で自害してしまう。

ああ、なに?
この急な展開。(若木さん、出てきたばかりでもう退場?)(そういう見方はやめなさい)


王は打ちのめされ悲嘆にくれ、人々はあの静蘭さまがなぜ・・あんなに朱里王と相思相愛だったのに・・と噂する。
内侍官は、何か不吉なものの存在を感じる。前の皇后がなくなられたときのような感じだ・・と。
内侍官さま、鋭いっすねえ。これ伏線ですから、覚えておきましょう。


さて、この時代、王を裏切ったものの一族は処刑という決まりがあって、このままだと静蘭の弟の李蓮(りーれん)が処刑されてしまう。鳴凛は心配し、内侍官に掛け合いに行く。

この鳴凛さんて娘さんは女官たちと仲がよくて、結構軽い女の子なんですが、お付きの女性がいつも付いていたりして、高貴な家柄の娘さんのようです。ここで、内侍官に直接ものを言える立場であるということや(単なるおせっかいかもしれないけど)、項将軍と恋仲だというのも、高貴な家柄であるなら、うなずけますね。
鳴凛のお付きの蝶鮮(蒼山ひとみ)は、落ち着きがあって鳴凛を諭すような時もあり、年配の女性のようです。蒼山さん、お若いでしょうに、雰囲気出てます。


内侍官は出てきて、ちょうど陽貴がそれを申し入れに来たところだと言う。陽貴は、静蘭が朱里王を裏切ったとは信じられない、これは何かの罠ではないか、それならば李蓮を処刑するべきではないと言う。そして、陽貴は自ら李蓮を迎えに行き、後見人になろうと申し出る。
内侍官と鳴凛は、彼女の申し出をありがたく受け入れる。

えーーちょっと、ちょっと。騙されちゃだめよ。
なんだけど、陽貴さん、いかにも誠実な感じなんで、裏になにかあるなんて露ほども思わないですわね。
小龍とふたりになった陽貴は、「これから面白くなるのよ」とほくそ笑む。みどり先生、上手い。

さて、陽貴はどういう段取りを考えているのか。
整理してみましょう。

陽貴が酔恋を静蘭に打った場面はありませんが、明らかですね。で、その理由は、朱里王の正気を失わせ、政務不能状態にするためである。
李蓮の命を救うということは、陽貴が善い人であることを皆に印象付ける。そうして、正気あらざる朱里王の後釜に自然につくことが出来るように持っていこうということだろうか。
なんか回りくどい、て感じしないでもないですが。
策士なんですな。


くだんの李蓮(碧海りお)は、宮廷に来ている。彼は将来を嘱望されている。出来る男らしいですな。でも、今はおとなしくしている。
英月や鳴凛と少し交流がある。


王は理性を失い、まつりごとをせず、酒を飲む毎日だ。陽貴は気持ちが軽くなるからと、王にアヘンを飲ませるんですね。王を廃人にしようと企んでるわけですね。でも、それを運んでる女官さんたちは、「南蛮渡来のお薬なんですって」「陽貴さま、おやさしいい~」と、天下泰平である。

妖しい色香を振りまく3人組(まいか美帆、可愛みお、弘中幸恵、亜里咲じゅん)(アヘンシスターズと命名しました)が、アヘンを王に運んでいく。この衣装が凄い。アラビア風で、背中が開いている。くねくねと腰を振り振り踊る。
らりっちゃってる朱里王は彼女らと興じる。
ああ、おいたわしや・・。
ここのところ、「皇帝」の(マリコ)ネロが酒を飲み遊女たちと興じる場面と似てます。けど、ネロは母の悪事を隠すためにそういう振りをしていたんで、状況としては違いますね。
どうでもいいことでした。


さて、次回はいよいよ陽貴の悪事が暴露されていきます。
乞うご期待。

HKDC 夢組「酔恋」 その1

7月5日昼公演を観ました。
「グランドロマン酔恋/ショーKNOCK OUT」の二部構成でした。


いやはや、のっけからサプライズ。プログラムを開いてビックリです。
芝居のほうの香奈メイコの役名が。

「湖月」

こ、これは・・・私がわたさんのファンであることを知って、はたまたメイコ先生のファンであることを知っての命名か・・・私のためか。
ありがとう、はやみ先生(泪)。
(違う)
(フリガナは、「こげつ」)

大いなる勘違いながら、オバサンは一気にいい気分になって公演に突入したのでした。


***


一部です。

「酔恋」

お芝居です。ミュージカルと言っていいのかな。芝居の間にダンスがある。歌はあまり歌わない。若木志帆が歌う場面があったが、これが唯一のソロ歌だったような。ダンスカンパニーですから、こういう方向の作り方でよいと思います。
で、ゲスト出演者が、若木志帆、珠希星佳(以上OSKのOG)、それから、未央一(タカラヅカのOG)、まいか美帆(STAS)。この方たちと、HKDCの初瀬みき、香奈メイコ、みどり麗子、音羽柚里、花風ひかるなど芸達者なメンバーが、ガッツリ取り組んで、中身の濃い舞台を作ってくれました。

中国が舞台です。その昔、て感じだが、「花舞う長安」のころかなあ・・つってもわかんない人もいるでしょう。玄宗皇帝だの楊貴妃だのの時代と似通った雰囲気感じました。時代を特定してはいないです。ま、昔の中国である。

幕があくと、暗闇。不穏な空気が立ち込める中で、ふたりの人影がうごめく。香奈メイコ扮する湖月(うはー(*´▽`*))(いや「コゲツ」と読む)(冷静に)と、音羽柚里扮する紫水が、大がまを前に、これを打たれた人は最初に見た相手に恋をするという媚薬「酔恋」を調合している。このふたりは、黄一族の一員である。この一族、昔からこの媚薬の調製法を伝承していて、「酔恋」はこの一族だけにしか作れないらしい。湖月さん紫水さん推奨の酔恋の組成がプログラムに載ってました。


南のトラの眼球       500g
西のサソリ           4匹
北の熊の爪          10本
けしの花            1本
ザクロの実           適量
流氷           700cc
女を思って死にゆく男の髪    1房
恋にやぶれ死にゆく女の血   3人分 


であります。
う~ん・・この、「女を思って死にゆく男の髪」とか「恋にやぶれ死にゆく女の血」なんてのが、なかなか入手困難、尋常じゃなくていいですなあ。
湖月と紫水が媚薬を調合している間、一族のメンバー数人が周囲で踊る。このダンスが凄みがあって、祈りというか呪いというかね、そんなおどろおどろしい雰囲気が伝わってきますね。

で、女の血があと一人分、足りない。
あとひとり、あとひとり・・と言ってるところへ、作業の進み具合を見に訪れる女性。みどり麗子扮する陽貴である。豪華な衣装に身を包み、優雅に歩き、話す。高貴なお方のようです。が、どっか悪そう(具合が、じゃなくて、性根が)(みどり先生、こういうの上手い)。お付きを一人連れていて、このお付き小龍(シャオロンと読む)(若宮悠)が大変なイケメン。涼しい顔して立ってます。もしかしてこのお付きとできてるんじゃないか、と妙な勘ぐりをしてしまうオバサンでしたが、最後までそんなことはありませんでした(ハハハ)。

彼らの会話から、陽貴が湖月の仲間を人質にとっていて、湖月らを脅して酔恋を作らせているということが分かってくる。やっぱ、悪女だったんだ。
「これを、何に使おうと言うんだ!」
「ホッホッホ。あなたたちは言われたとおりに酔恋を作ればいいのよ。言うとおりにしなければ仲間の命は・・」
「くうう・・・」
「ホーッホッホホ」(高笑い)
てな会話が交わされる。

場面変わって、ここは宮廷。
きゃぴきゃぴの可愛い女官たちや、これまたイケメンの英月くん(風央宙良)(何してる人?役人かなあ)なんかが歌い、踊る。平和で明るい宮廷風景です。英月くん、轟悠似のエキゾチックな顔立ちで、大変もててます。美杏(みーやん)(桃世まな)はその英月に片思いだということが、女官さんたちのもっかの感心事であります。今のところはうまくいってませんが、大団円というところでこのふたりまた出てきますので、覚えておいてね。

さて、宮廷にはいろんな人が登場する。
例の、陽貴もそのひとり。彼女はこの国の皇帝、朱里王(初瀬みき)の叔母である。政治に関与してるらしいが、どうも朱里王を追い落として玉座をのっとろうと秘かにたくらんでいるらしい。
例の酔恋を使うのか・・誰に? それは、追々分かってきます。
彼女の目は、項将軍・劉貴(珠希星佳)に注がれている。
そうか。熟女は、ただのイケメンの家臣より地位も名誉もあるほうを選ぶというわけね。劉貴さまは地位と名誉と共に、雄雄しく凛々しく、大変にかっこいいお方である。

美杏をからかっていた鳴凛(めいりん)(花風ひかる)にとって、劉貴とは喧嘩しながらも好きな人である。劉貴は仕事がら呼び出され陽貴と会うことが多い(陽貴さまわざとだったりするんだけど)。鳴凛は気が気ではない。

朱里王は、静蘭(若木志帆)と婚礼も間近というところ。ふたりは幸せの絶頂にある。朱里王の側近の墨内侍官(未央一)は、その様子を温かく見守っている。
未央さんが登場したとき、拍手がありました。さすが、元タカラヅカ。HKDCでは、スターさんの登場時に拍手する習慣はないんですね。私は初瀬さんの時に拍手したかったですけど、ひとりで浮いても恥ずかしいので我慢しました。

さて、ここにもイケメンがひとり。周遊(碧海りお)。
たいしたプレーボーイである。りおくんが、着流しの田村正和のごとく(ちょっと例えが古い)(許されよ)やさ男満開で素敵。
娼婦の胡蝶(まいか美帆)は彼に本気で惚れているが、彼のほうはもちろん遊び。ふたりが衝立(障子のような戸板が立ってます)の後ろに入っていて・・・まあ、ナニするわけですが、これが影で映し出されるのがエロい。
で、ことが終わりまして、出てきた周遊、「これで終わりだ」と宣言するんですね。そんなのいやーーー、死んでやるーー、と胡蝶は泣き叫ぶが、彼は、冷たくどうぞ・・てなもんです。
で、捨てられ絶望の淵に落ちた胡蝶がいよいよ短剣を出し、のどを一突きに・・というところで、チャンスとばかりに(そこまでドライではなかったですが)湖月と紫水が現れ、流れた血をいただく。その条件として、お前の思う男を虜にしてやろう、と言い、やさ男周遊くんめがけて吹き矢をフッ。完成したばかりの酔恋を打ち込んだんですね。
うっ・・・一瞬クラクラっとなり、正気に戻った周遊は顔をめぐらし、倒れている胡蝶を見つける。


つづく。

***


何やってるんでしょうか。ちょっとストーリーの紹介を、と思ったら実況中継になってしまってますね。
いや困ったなあ、まだ全然始まったばかりなんですけど。長くなりそうな予感が・・・。
ま、始めてしまいましたので、しばらくお付き合いくださいませ。サクサク行きたいと思いますので。ショーの話しも早くしたいし。


ではっ。

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