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「ACHE」

7月8日と10日昼公演@ル・テアトル銀座を観ました。

今年は、芸能生活(即ち舞台生活)20周年なんだそうで、この「ACHE」という舞台は、集大成にしたかったんだとか(トークや挨拶でそんなことを言ってました)。

男役18年間、そして退団後の2年間は女優もあり男役もありの活動をしてきて、今の湖月わたるにできること、やりたいことを全部出してみようというところだと思います。だからこの舞台は、湖月わたるのこれからの方向性を示すものと捉えていいでしょう。

回りくどいね。
要するに、ダンスも芝居も歌もがんばって、男役と女役の比率は8:2、て感じですか。
これは私にとってとても嬉しい提示であります。
タカラヅカを退団したら、男役であったことなどなかったかのように変貌してしまう人が多い中で、やっぱり男役が好きだ、男役もやりたい、と、わたさん自身が思っているというのが伝わってきて、涙がでるほど嬉しかったです。
ほんとのところ、男役をやってる時のほうが数段魅力的です。そのことは本人が一番良く解ってるのだと思う。というか、好きこそなんとかで、男役のほうが好きなんでしょう。


内容について述べないと。

エンターテイナーとしてトップスターにまで昇りつめた男の記念の舞台。
黒燕尾で登場。黒燕尾だけど、中に着ているシャツが黒で胸元がVの字に開いている。ちょっとセクシー系を意識した感じで、ヅカの時の黒燕尾とは一線を隔している。衣装は有村淳。
歌う歌は、「キャリオカ」「キッチュ」「月夜歌声」。途中から星奈優里、彩輝なお(サエちゃん、ここはドレス)、それから若い男性ダンサーが登場して、ショー仕立てで進みます。
わたさんは白いコート風ジャケットのパンツスーツに着替えてきて、歌うのは「日替わり歌」ですね。私の時は、二日とも「愛の面影」でした。どお~して~どおして~♪という、あのフェルゼンの歌です。
ん・・? わたさん、歌上手くなった? ちょっと泣きそうになりました。ちあきしん(歌唱指導)のおかげかしら。

で、客席に向かって一例し、「私の20周年記念コンサートにようこそ」というようなことを言うんだけど、これが男役でスカシてて、いつもの挨拶の時の「ありがとーございましたあ」と言ってるわたさんと違う。最初のショーのシーンからお芝居が始まってたんですね。
で、例の気取った男役で、「新曲です」と言って、「ACHE」を歌います。うん、これも良かったよ。


でまあ、いろいろありまして、アクション。アクションです。
いやこれがもう、大サービス。ふたりの暴漢(本物の男性)相手に大立ち回り。大喜び。

でまあ、またいろいろありまして、時空空間というか、黄泉の国というか、そういうところに行く。そこで、プラトンの「饗宴」からのテーマが出てくるんですね。
人は昔、2つの頭、4本の手足を持って生まれた。が、傍若無人な振る舞いに神の怒りをかい、半分に引き裂かれてしまった。で、人は今でも自分の半身を求めるのであると。

でまあ、ちょっといろいろ複雑で説明難しいのですが、主人公の「男」(湖月)は、現世に戻るためには、半身を見つけなければいけない。と言うより、選ばなくてはいけない。
候補者は複数いるんですね。
戸井勝海、彩輝なお、それから、現世でのパートナーだった星奈優里。(わたさん、あの世でもモテるんだ)

(戸井さん扮する)待っていた男は、以前、女性であった「男」とパートナーであったと、そして、彩輝なお扮する・・ううん、これは女性だか男性だか判んないのですよ、とにかくサエちゃんは自分と関係があったと言う。
サエちゃん、ここのところまでは女性、で、「男」に「ぼくのこと、忘れたの?」と言う。その瞬間に少年になってしまうんですね。中性的というより両性具有の妖しさですね。これは男役経験者ならでは、さらに彩輝なおならではのものでしょうね。

でまあいろいろありまして、彼・・・わたさん扮する「男」はこの世に復帰することになる。
前を向いて歩いていく・・客席の通路をです。

で、この舞台の芝居部分は終了。
これはもう観て感じていただくしかないと思うんだけど、カッコいい男役全開のわたさんと、ちょっと妖しい雰囲気の女性のわたさんと両方楽しめる趣向になってます。(しかし女性のほうのわたさん、デカイ。肩を後ろに引いてもなお肩幅広いし)
この両性をゆれる主人公という設定は面白いです。
大野拓史くんを「博士くん」と、わたさんが呼んでましたが、その博士くんから生まれた発想なんですね。
わたさんは終始シリアス。アクションの時の「ウッ」とか「アッ」とかいう声に、ヅカ時代のあのショーのあの場面とかお芝居のこの場面とか思い出し、デジャヴです。


お芝居のあとは、明るく元気なショーでした。
元気なわたさんの「ファンの集い」に突入!
黒皮パンツに黒ブーツ、黒の(Tシャツ風)シャツにパープルのジャケット。襟元に今流行りのスカーフ。これが、黄色というより萌黄色? で、ジャケットの色と補色関係なんですね。難しい色合いを上手に組み合わせて、衣装担当に拍手。
パンツが上から下までぴっちり、ぴったりで、しかし、ものすごくカッコいい。いやもう、やっぱりパンツはかなきゃ、ですよ。

で、客席にゆっくりサービスして舞台に上がり、ダンス。
ちょっと今風のダンスでした。
アレ、キレよくなってますね。カッコいいです。

で、トークです。
トークの相手は、日替わりのようですね。8日の時はサエちゃんで、10日の時はゆりちゃんでした。それぞれふたりでひとしきり昔のこと話して、アンケートの質問にお応えしますコーナーに。
まあいろいろあったんですが、ふたりの男性ダンサー(坂本まさる、附田政信)への質問で、楽屋でのわたさんの様子、「ダム・ヤンキース」(ふたりとも「ダム~」にも出演してた)の時との違いとかありますか、というのがありました。

「ダム~」のころは、スカート姿のことが結構多くて、お稽古の時も網タイツはいてたりしたけど、今回はパンツばかりで、お稽古もジャージ姿・・なんだそうです。
わたさん、「・・・もういいやっ」なんだとか。ハッハッハ。

最後は、"I can't give you anything" を歌い(戸井さん上手い)、盛り上がって終わりました。出演者がやってる振りを客席もやり出して、8日公演では客席の半分くらいでしたが、10日公演では、わたさんから「ハイ、みなさんもどーぞー」と、キューが出るようになってました。

客席が盛り上がると、わたさん大喜びなんですね。それを見てこちらも喜ぶという相乗効果で、ますます盛り上がりました。湖月わたるをやめられないのは、これがあるからだよなーと、しみじみ思います。


蛇足:
8日のほうはマリコ(麻路さき)さんが、そして10日のほうは美木良介氏が客席に!
おふたりとも素敵でした~。

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